子育ては喜びと同時に試練に満ちた道のりです。「叱らない育児」については賛否両論がありますが、その実践方法によっては子どもの成長を阻害してしまう可能性もあります。
このブログでは、「叱らない育児」の本来の意味とその落とし穴、そして正しい実践方法について解説します。
また、実際の成功例と失敗例を紹介することで、より深い理解を促します。子育ての参考になれば幸いです。
1. 「叱らない育児」とは何か

「叱らない育児」とは、子どもに対して叱らないことを目指す育児法です。
この育児法はアメリカから紹介され、日本でも広まりました。
当時のアメリカでは、厳しい叱責が子どもの消極性を引き起こす原因となっていました。
そのため、子どもを否定するのではなく、穏やかに接することの重要性が認識され、「叱らない育児」が提唱されました。
具体的な「叱らない育児」の考え方や方法はさまざまですが、以下の要点を共有しています。
- 感情的にならずに対話する:冷静な状態で子どもと対話し、怒りを抱かないことが重要です。
- 優しい言葉を使う:厳しく叱るのではなく、優しい言葉を選び、子どもに理解を促します。
- 子どもの好奇心や自尊心を尊重する:尾木ママ(尾木直樹先生)はこの育児法の提唱者であり、子どもの好奇心や自尊心を大切にし、褒めることで成長を促すことを主張しています。
しかし、「叱らない育児」の語句は誤解を招くこともあります。
正しい「叱らない育児」は単に叱らないことだけに注力するのではなく、工夫や励ましなどで子どもの生活習慣や苦手を克服することにも取り組み、成功していることにも目を向けます。
次のセクションでは、「叱らない育児」の落とし穴について詳しく説明していきます。
2. 間違った「叱らない育児」の落とし穴

「叱らない育児」は非常に効果的な方法ですが、誤ったやり方を取ると逆効果となることもあります。
以下では、間違った「叱らない育児」のやり方についていくつか紹介します。
(1) 叱ることと怒ることを混同する
叱ることと怒ることを取り違えると、怒りを避けるために叱ることを避けてしまうことがあります。
しかし、叱ることと怒ることは異なります。
叱ることは子どもを導くために行うものであり、注意やアドバイスを通じて子どもを本当の目標に向かわせることです。
言い方によっては子どもが傷つくこともあるかもしれませんが、叱ることの本来の目的は子どもが他人から愛される行動を取るように伝えることです。
(2) 絶対に叱らない
「叱らない育児」は、子どもが何をしても決して叱らないということではありません。
安全上の危険がある場合や他人に迷惑をかける場合は、しっかりと叱るべきです。
ただし、子ども自身を否定するような叱り方ではなく、子どもの望ましくない行動に対して叱るべきです。
叱ることは子どもが社会のルールやマナー、しつけを学ぶために必要です。
(3) 叱ることは感情的になることではない
叱ることは感情的になることではありません。
子どもに一貫した態度で接することが重要です。
同じ行動に対して親の気分や都合で叱ったり叱らなかったりすることは避けるべきです。
感情をコントロールするのは難しいかもしれませんが、子どもに安定感を与えるためにも必要です。
(4) 叱らないと放置する
「叱らない育児」は子どもを放置することではありません。
むしろ、子どもを適切に見守る必要があります。
叱るべきではない場面で叱ることを避けるには、子どもの行動をよく観察することが重要です。
無用な場面で叱ることを避けることで、子どもは自己肯定感を持ち、自主性や責任感を育むことができます。
以上が、「叱らない育児」の間違ったやり方の一例です。
正しい方法を実践することで、子どもの成長や発達を支援し、良好な親子関係を築くことができます。
ただし、一つの方法だけが正解ではなく、子どもの個性や状況に応じて柔軟に対応することが大切です。
3. 正しい「叱らない育児」の方法

「叱らない育児」を成功させるためには、以下のポイントに注意する必要があります。
1.子どもに対してポジティブな声かけを行うこと
叱らない育児では、子どもの良い行動を積極的に認め、褒めることが重要です。
良い行動をしているときには、ポジティブな声かけをしましょう。
例えば、「お友だちと仲良く遊んでるね」とか「ゆっくりお買い物できて楽しいね」といった言葉で子どもを励ましてあげます。
このようなほめ言葉によって子どもは自分の良い行動を再確認し、続けることを意識するようになります。
2.叱る状況を作らないようにすること
叱らない育児は、叱る状況を作らないことが目標です。
子どもがいけないことをする前に、事前にルールやマナーを教えることで叱ることを減らすことができます。
また、子どもが良い行動をすることを促すために、楽しい遊びや報酬の仕組みを取り入れることも効果的です。
例えば、家族で遊びながらルールを学ぶゲームをするなど、子どもに自らルールを守る意識を持たせることが重要です。
3.無理な要求をせず、子どもの成長を尊重すること
叱らない育児では、子どもの成長を尊重し、無理な要求をせずに育てることが重要です。
子どもの能力や理解度に合わせた指示や期待を持つことで、子どもは自信を持って取り組むことができます。
また、子どもが失敗した場合には厳しく叱るのではなく、一緒に反省し学ぶ機会を与えることも大切です。
子どもが自分の力で成長する機会を与えることで、自己肯定感を高めることができます。
以上のポイントを意識しながら、叱らない育児を実践していくと、子どもが成長し自律性を身につけることができます。
ただし、叱らない育児を誤解せずに、適切な指導と褒め言葉を組み合わせて実践することが大切です。
子どもが一人前の社会人になるためには、叱ることも必要な場面もあることを忘れずに育児に取り組みましょう。
4. 「叱らない育児」の成功例

「叱らない育児」は、子どもたちの様々な能力や性格の成長に寄与します。
以下では、「叱らない育児」が成功した実際の事例を紹介します。
能動的に動ける子に育った
- 対話を重視し、子どもが自分で考えることを促しました。その結果、子どもは自発的に行動することができるようになりました。
- 友人関係で問題が起きた際には、子ども自身が解決策を見つけ、他の子の意見を良く聞くことができるようになりました。
穏やかで優しい子に育った
- 赤ちゃんの頃から「叱らない育児」を実践し、小学校に入っても友達とのトラブルがありません。
- 困っている子に手を差し伸べるだけでなく、譲り合う優しい性格を持つようになりました。
好奇心を持ち意欲旺盛な子に育った
- 子どもは興味のあることに積極的に取り組むようになり、冷静に考えることができるようになりました。
- 叱りつけるのではなく、忍耐強く教えることで、子どもの好奇心を引き出すことができました。
以上の事例からわかるように、「叱らない育児」は子どもの自己肯定感や好奇心、能動性を引き出すことにつながります。
ただし、成功の程度は子どもの個性や環境によって異なるため、結果の保証はできません。
5. 「叱らない育児」の失敗例

「叱らない育児」が成功すると、意欲溢れる優しい子に育つことが分かりますが、逆に失敗するとどのような結果になるのでしょうか?
以下に「叱らない育児」の失敗例をご紹介します。
(1) 我慢ができない子に育った
叱らない育児が過ぎた結果、子どもは我慢できない性格に育つことがあります。
例えば、ある小学2年生の女の子のママは、自分が一番という女王様気質の子に育ってしまったと話しています。
気に入らないことがあると友達を叩いてしまい、学校から連絡がありました。
彼女は子どもの意思を尊重し、怒らない育児をしていたつもりでしたが、ただの甘やかしになってしまったのかもしれません。
(2) ルールが守れない子に育った
また、叱らない育児の失敗例として、社会的ルールを守れない子に育つこともあります。
例えば、ある小学3年生の男の子のママは、友達とドッチボールをしている時、ボールが当たった途端に走って逃げてしまう息子の行動に驚いたと話しています。
彼女は子どもに任せているため、叱らないというスタンスをとっていましたが、このままでは他人が心配するほどの問題行動が増えてしまうのではないかと不安になっています。
いかがでしょうか。叱らない育児の失敗例を読んでいて怖くなるかもしれませんが、これらは体験談を元にした実話です。
叱らない育児は一歩間違えるとモンスター級のワガママな子にする可能性をはらんでおり、しかも親自身がそれに気付いていないことが多いのです。
次は、間違った叱らない育児を実践したママ友の末路をご紹介していきます。
まとめ
「叱らない育児」は子どもの自己肯定感や好奇心、能動性を引き出す効果的な方法ですが、その実践には注意が必要です。
単に叱らないだけでは問題で、適切な指導と褒め言葉を組み合わせることが重要です。
また、子どもの個性や状況に応じて柔軟に対応し、無理な要求をせず成長を尊重することも大切です。
「叱らない育児」を誤解せずに実践すれば、子どもの健全な発達につながりますが、逆に失敗すれば自己中心的で我慢できない子に育ってしまうリスクもあります。
子どもの最善の利益を考え、状況に応じて叱ることと褒めることの両方を上手に使い分ける必要があるのです。